育休は就業規則がなくても取れる?社労士が解説

「うちの会社には育休制度がない」——そう言われて、黙って引き下がった方はいませんか?

断言します。就業規則に育休の規定がなくても、育休は取れます。

現役社会保険労務士として、なぜ会社の言い分が通らないのか、どう動けばいいのかを解説します。

今回のテーマの参考情報:出典:Money Forward BizHint

育休は「会社が与える」ものではない

育児休業は、会社の善意でもらうものではありません。

育児・介護休業法という国の法律によって、労働者に保障された権利です。就業規則に書かれていようと書かれていまいと、その権利は消えない。

📌 ポイント:育児・介護休業法第5条により、1歳未満の子を養育する労働者は育児休業を申し出る権利を持ちます。会社の就業規則に規定がなくても、この権利は消えません。

「制度がないから取れない」——これは法律の誤解か、意図的な隠蔽かのどちらかです。いずれにせよ、泣き寝入りする理由にはなりません。

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会社が「育休はない」と言う、本当の理由

現場ではこんな言葉がよく飛び出します。

  • 「小さい会社だから制度が整っていない」
  • 「前例がないから難しい」
  • 「あなたが抜けると業務が回らない」

これらは、育休を断る法的な根拠になりません。どれ一つとして。

ただ、会社側の苦しさを全否定するのも公平ではないと思います。社員が一人抜けたとき、小規模な職場の負担は確かに重くなる。その困惑は理解できます。

でも、困惑は「拒否の理由」にはならない。そこははっきり分けて考えてください。

⚠️ 注意:育休の申し出を会社が拒否したり、不利益な扱いをしたりすることは、育児・介護休業法で禁止されています。「育休を取ったら解雇する」「降格させる」などの言動は違法行為です。

「育休はない」と言われたときの対処法3ステップ

では、実際に断られたらどう動くか。順番に動けば、ほとんどのケースは解決します。

ステップ1:法律の話を会社に伝える

まず感情的にならず、事実だけを伝えます。

「育児・介護休業法第5条により、育休は法律上の権利です。就業規則の有無は関係ないと理解しています」——穏やかに、しかしはっきりと。

このとき、口頭だけで終わらせないことが重要です。メールや書面で記録を残してください。「言った・言わない」の水掛け論を防ぐためです。

ステップ2:都道府県労働局に相談する

会社が応じない場合は、公的機関の出番です。

都道府県労働局の「雇用環境・均等部(室)」が窓口で、育児・介護休業法に関する相談を無料で受け付けています。一人で抱え込まず、早めに動いてください。

✅ やること:都道府県労働局への相談は「総合労働相談コーナー(各都道府県労働局・ハローワーク内)」からもアクセスできます。電話・来所どちらでもOKです。

ステップ3:社労士や弁護士に相談する

会社との関係が悪化している、状況が複雑だ——そう感じたら、専門家に頼ることをためらわないでください。社労士は育児・介護休業法の専門家です。個別の事情に応じたアドバイスができます。

よくある疑問 Q&A

Q: パートやアルバイトも育休は取れますか?
A: 取れます。ただし条件があります。①同じ会社に1年以上継続して雇用されていること、②子どもが1歳6ヶ月になるまでの間に契約が満了しないことが見込まれること、の2点です。2022年の法改正で有期雇用労働者の育休取得要件は緩和されました。
Q: 育休中の給与はどうなりますか?
A: 会社からの給与は基本的にゼロになります。代わりに、雇用保険から「育児休業給付金」が支給されます。休業開始から180日間は賃金の67%、それ以降は50%が目安です。
Q: 育休を取った後、解雇されるのが怖いです。
A: 育休を理由とした解雇は違法です。育休取得を申し出たこと、または取得したことを理由とする不利益な扱いは、育児・介護休業法で明確に禁止されています。もし実際に解雇や降格などの不利益を受けた場合は、すぐに労働局か専門家に相談してください。

すぐやること

  1. 育休取得の申し出を書面(メール可)で行う。口頭だけでは「言った・言わない」になるリスクがあります。
  2. 会社からの返答も記録しておく。拒否や難色を示す発言はメモや録音(可能な範囲で)を残しておくと後で役立ちます。
  3. 一人で抱え込まない。都道府県労働局、社労士、弁護士など、相談できる窓口は複数あります。

まとめ

  • 育休は育児・介護休業法で保障された権利。就業規則がなくても取得できる。
  • 「制度がない」「前例がない」は育休を断る法的根拠にならない。
  • 会社が応じない場合は、都道府県労働局や専門家への相談が有効。

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※本記事は執筆時点の法令・判例に基づいて作成しています。法律は改正されることがあります。最新の情報や個別のご事情については、社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。

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