「育休中に副業をしたい。でも給付金が減らないか心配……」
そんな声が増えています。
結論から言います。育休中の副業は可能ですが、やり方を間違えると給付金が大幅に減ります。
現役社会保険労務士として、仕組みと注意点を正確にお伝えします。
なお、本記事は出典:Money Forward BIZ「育休中の副業と育児休業給付金の関係」の話題をもとに、社労士の立場から独自に解説したものです。
育休中の副業で給付金が「減る・もらえなくなる」3つのライン
育児休業給付金には、副業収入によって支給が変わるルールがあります。
ただし、変わる「きっかけ」は副業収入そのものではありません。ポイントは「就労日数」と「賃金額」の2つです。
ライン①:就労日数が月10日を超えると不支給になる
育休中に就労できる日数には上限があります。
1ヶ月の就労日数が10日を超えると、その月の給付金は支給されません。
ただし就労日数が10日以下であれば、就労時間が80時間以下であることも条件になります。どちらかの要件を満たせばOKです。
ライン②:賃金が育休前の賃金の80%を超えると不支給になる
育児休業給付金の給付率は、育休開始から180日までは67%、それ以降は50%です。
この間に就労して賃金を得ると、給付金と合算した合計が育休前賃金の80%を超えた分は、給付金から差し引かれます。
さらに、合計が育休前賃金の80%以上になると、その月の給付金は全額不支給になります。
ライン③:副業先での「雇用保険加入」は別問題
フリーランスや業務委託の副業であれば、雇用保険には関係しません。
ただし副業先でアルバイトとして雇用される場合、副業先でも雇用保険に加入することがあります。
この場合、副業先でも育児休業の申請が必要になる可能性があります。二重に手続きが必要になるため、事前に副業先にも育休中であることを伝えておくことが重要です。
確定申告はどうなる?育休中の副業で見落としやすい税の話
副業収入が年間20万円を超えると、確定申告が必要になります。
これは育休中でも同じです。
育児休業給付金は非課税所得です。所得税がかかりません。
一方、副業の収入(業務委託・フリーランス等)は課税所得になります。
つまり、給付金と副業収入は税務上まったく別物として扱われます。
また、住民税は翌年の課税に影響します。育休が明けて復職した後の住民税が想定より高くなることがあります。あらかじめ把握しておくと安心です。
よくある疑問 Q&A
- Q: 育休中に副業をすることを会社に報告する必要はありますか?
- A: 法律上の義務はありませんが、就業規則で副業を制限している会社もあります。まず就業規則を確認し、副業が認められているかを確かめましょう。無断で行うと後でトラブルになる可能性があります。
- Q: 育休中に副業をしたことをハローワークに申告しなかったらどうなりますか?
- A: 育児休業給付金の申請は事業主(会社)を通じて行います。就労日数や賃金は事業主が報告する仕組みです。虚偽の申告は不正受給になり、給付金の返還を求められるリスクがあります。正直に申告することが最善です。
- Q: クラウドソーシングや原稿料など単発の仕事は就労日数に含まれますか?
- A: 原則として、実際に作業した日数が就労日数として計算されます。ただし業務委託の場合は計算が複雑になることがあります。不安な場合はハローワークや社労士に確認することをお勧めします。
すぐやること2つ
- 自分の育休前賃金を確認する
育児休業給付金の計算基礎となる「休業開始時賃金日額」を確認しましょう。会社から受け取った書類か、ハローワークの決定通知書に記載されています。 - 副業の種類と収入見込みを整理する
フリーランス・業務委託・アルバイトなど、副業の形態によってルールが変わります。月の就労日数・賃金がどうなるかをシミュレーションしてから始めましょう。
まとめ
- 育休中の副業で給付金が減るのは「就労日数10日超」または「賃金と給付金の合計が育休前賃金の80%超」の場合
- 育児休業給付金は非課税。副業収入は課税対象で、年間20万円超なら確定申告が必要
- 副業の形態(業務委託・アルバイト)によってルールが異なるため、事前に確認することが重要
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※本記事は執筆時点の法令・判例に基づいて作成しています。法律は改正されることがあります。最新の情報や個別のご事情については、社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。
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