産経新聞 / Yahoo!ニュースによると、「休職代行」の利用が今春から急増しています。
ある弁護士法人では依頼が倍増し、月40件近くに達しました。20代の若手から40〜50代の管理職、教職員・自衛官といった公務員まで、幅広い層が利用しています。
社労士として率直に言います。このサービスを使うなら、事前に3つのことを確認してください。
- 休職代行と退職代行の決定的な違い
- 休職には法律ルールがない理由
- 業者を選ぶときに必ず確認すること
休職代行とは?退職代行との決定的な違い
退職代行は「辞める手続きを代わりにやってもらう」サービスです。
休職代行は「休職の申し出・診断書の提出を代わりに伝える」サービスです。
見た目は似ています。でも、法的な根拠がまったく違います。
退職には民法627条という明確なルールがあります。申し出から2週間で辞められます。しかし休職は違います。
労働基準法にも育児介護休業法にも、一般的な休職の規定はありません。
つまり、休職できるかどうか・期間・条件は、すべて各会社の就業規則次第です。
ここが退職代行との大きな違いです。
退職代行は「2週間後に辞める」という権利を行使するだけです。
しかし休職代行は、会社が就業規則に基づいて認めるかどうかが問題になります。
代行業者が申し出ても、会社が認めなければ休職はできません。
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なぜ今、休職代行が急増しているのか
利用者の実態を見ると、2つの層がはっきり分かれています。
20代は「転職したいが、退職リスクを取りたくない」層です。休職期間中に転職活動を進めて、安全に次のステップへ移る選択をしています。
40〜50代は「重い責任と家族の介護が重なっている」層です。上司に直接言い出せない状況で、代行に頼るケースが目立ちます。
公務員の利用が目立つ点も注目です。職場の人間関係が濃く、申し出のハードルが特に高い。その現実があります。
社労士として言わせてください。本来は直接申し出るのが最善です。
ただ「どうしても言い出せない」という状況が現実に存在します。
その現実を「自分で言えばいい」と切り捨てるだけでは、何も解決しません。
重要なのは、正しいサービスを正しく使うことです。
利用前に必ず確認すること3つ
① 就業規則で休職の条件を確認する
休職できる期間・条件・給与の有無は会社ごとに違います。
業者に依頼する前に、必ず就業規則を確認してください。
「休職」の章が見当たらない場合は、人事部に問い合わせても構いません。
② 弁護士資格者が関与しているサービスを選ぶ
会社との交渉・折衝ができるのは弁護士だけです。
一般業者が「交渉」を行うと弁護士法72条違反になります。
サービス運営元の資格・体制を必ず確認してください。
③ 医師の診断書を先に取得しておく
多くの会社は、休職申請に医師の診断書を求めます。
代行業者が申し出ても、診断書なしでは会社が受け付けないケースがほとんどです。
まず主治医か心療内科に相談して、診断書の取得を先に進めてください。
よくある疑問 Q&A
- Q: 休職中は給料はもらえますか?
- A: 会社の就業規則によります。給与が出る会社もあれば、無給の会社もあります。ただし健康保険の「傷病手当金」を使えば、給与の約3分の2が最長1年6ヶ月支給されます。休職前に必ず確認してください。
- Q: 会社が休職を認めてくれない場合はどうすればいいですか?
- A: 就業規則に休職の定めがある場合、正当な理由なく拒否することは難しいです。一方、就業規則に規定がない場合は会社の判断に委ねられます。拒否された場合は、社労士や弁護士への相談を検討してください。
- Q: 休職代行を使うと、職場での立場が悪くなりませんか?
- A: 心配される方は多いです。ただ、心身の健康を守ることが最優先です。休職は権利の行使であり、適切に使えば違法にはなりません。直接申し出が難しい状況であれば、代行サービスの利用は合理的な選択です。
すぐやること 3つ
- 会社の就業規則を入手し、「休職」の章を読む
- かかりつけ医または心療内科に相談の予約を入れる
- 代行サービスを使う場合は、弁護士資格者が関与しているか確認する
まとめ
- 休職代行の急増は「職場で直接言い出せない」現実を反映している
- 休職に統一的な法律ルールはなく、条件・期間はすべて就業規則次第
- 弁護士関与のサービスを選び、事前に就業規則と診断書を準備することが鍵
※本記事は執筆時点の法令・判例に基づいて作成しています。法律は改正されることがあります。最新の情報や個別のご事情については、社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。
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