職場で上司に投げ飛ばされたらどうなる?暴行罪と懲戒解雇の可能性を社労士が解説

懲戒

巨人の阿部慎之助監督が自宅で長女への暴行容疑で逮捕・釈放され、監督を辞任したというニュースが話題になっています。

出典:Yahoo!ニュースによると、長女がChatGPTに相談し、児童相談所を通じて警察に通報されたとのことです。

では、これが一般の職場で起きたらどうなるのでしょうか?

現役社労士として、職場での暴力行為について解説します。この記事を読めば、職場暴力の法的な扱いと対処法がわかります。

職場で上司が部下を投げ飛ばしたら暴行罪が成立する

職場で上司が部下の襟をつかんで投げ飛ばした場合、刑法第208条の暴行罪が成立します

暴行罪は「人の身体に対して暴行を加えた者」を処罰する犯罪です。つまり、相手にケガをさせなくても成立します。

重要なのは、暴行罪は親告罪ではないということです。被害者が「処罰を望まない」と言っても、警察や検察の判断で立件される可能性があります。

⚠️ 注意:暴行罪の法定刑は2年以下の懲役または30万円以下の罰金です。前科がつく可能性があります。

「指導」では済まされない職場暴力

「指導のつもりだった」「熱くなってしまった」という言い訳は通用しません。

労働基準法では、使用者が労働者に暴力を振るうことを明確に禁止しています。どんな理由があっても、物理的な暴力は許されません。

職場での暴力は業務の範囲を完全に逸脱した行為です。

懲戒解雇の可能性が高い重大な非違行為

職場で部下に暴行を働いた上司は、懲戒解雇される可能性が高いです。

懲戒解雇は最も重い処分です。退職金の不支給や転職時の不利益など、大きな代償を伴います。

懲戒処分の判断基準

以下の要素で処分の重さが決まります:

  • 暴行の程度(軽く押した程度なら減給、投げ飛ばしたら懲戒解雇)
  • 被害者の怪我の有無(怪我があれば傷害罪も成立)
  • 過去の処分歴(初回か常習か)
  • 反省の態度
📌 ポイント:暴行が録画されていたり、複数の目撃者がいる場合、事実の立証が容易になり処分が重くなりがちです。

パワハラ防止法との関係も重要

2022年4月から、すべての企業にパワハラ防止措置が義務付けられています。

身体的な攻撃は、パワハラ6類型の筆頭です。会社は以下の対応が求められます:

  • 事実関係の迅速な調査
  • 被害者への適切な配慮(配置転換など)
  • 加害者への厳正な処分
  • 再発防止策の実施

会社がこれらの対応を怠ると、パワハラ防止法違反として行政指導の対象になります。

よくある疑問 Q&A

Q: 会社内の出来事でも警察に通報できるの?
A: できます。職場も社会の一部です。暴行罪に職場かどうかは関係ありません。むしろ、労働者を守るために積極的に通報すべきケースです。
Q: 「カッとなって」という理由は情状酌量になる?
A: 感情的になったことは犯罪の正当化理由にはなりません。むしろ、管理職としての自制心の欠如として処分が重くなる可能性があります。
Q: 被害者が「大丈夫」と言ったら問題にならない?
A: なりません。暴行罪は親告罪ではないため、被害者の意思に関係なく処罰される可能性があります。また、会社の懲戒処分も別途検討されます。

被害に遭った場合のすぐやること

  1. 安全確保と証拠保全:まず身の安全を確保し、可能であれば診断書を取得する
  2. 会社への報告:人事部やコンプライアンス窓口に速やかに報告する
  3. 専門家への相談:労働局や弁護士、社労士に相談して適切な対応を検討する
✅ やること:暴行を受けた場合、「我慢する」のではなく「記録する」ことから始めましょう。日時・場所・状況をメモに残すだけでも重要な証拠になります。

次のステップ

退職代行サービスの比較・選び方はこちらの記事で詳しく解説しています

退職代行おすすめを社労士が本気で比較【2026年】 »

まとめ

  • 職場での暴行は刑法上の暴行罪が成立し、懲戒解雇の対象となる重大な非違行為
  • パワハラ防止法により、会社には迅速な対応と再発防止の義務がある
  • 被害を受けた場合は我慢せず、証拠を残して適切な機関に相談することが大切

退職でお悩みなら、弁護士に任せるという選択肢

弁護士法人みやびの退職代行サービス。有給消化・未払い賃金の請求交渉も弁護士が対応するので安心です。

弁護士法人みやびの退職代行サービスに相談する

職場のストレス、一人で抱えていませんか?

公認心理師(国家資格)によるオンラインカウンセリングで、仕事や人間関係の悩みを相談できます。

オンラインカウンセリング【Kimochi】で相談する

※本記事は執筆時点の法令・判例に基づいて作成しています。法律は改正されることがあります。最新の情報や個別のご事情については、社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。

Photo by Vitaly Gariev on Unsplash

タイトルとURLをコピーしました