マイナンバーカード93万枚返納?会社の取得強制は違法か社労士が解説

懲戒

マイナンバーカード93万枚が返納された。このニュースが今、話題になっている。Yahoo!ニュースの報道によると、2025年7月末時点で本人希望による返納が93万枚に上ったという。

結論から言う。会社はあなたにマイナンバーカードの取得を強制できない。

現役社労士として断言する。職場でカード取得を迫られている人ほど、この記事を読んでほしい。「全員出すように」と言われて、なんとなく従ってしまう。その「なんとなく」が一番危ない。

マイナンバーカード取得は完全に任意

最初に、一番大事なところを押さえる。マイナンバーカードの取得は、番号法上、完全に任意だ。

番号法は申請主義をとっている。本人が申請しない限り、カードは発行されない。会社が従業員に取得を強制する法的根拠は、どこにもない。一つもない。

📌 ポイント:マイナンバーカードの取得拒否に対する罰則は一切ありません。会社が強制することは不当な労働条件の押し付けと評価される可能性があります。

ところが、この点を知らない労働者は多い。「会社に言われたから仕方なく」取った人もいるだろう。気持ちは分かる。波風を立てたくない。

でも、法的には義務ではない。あなたには断る権利がある。これだけは覚えておいてほしい。

会社が強制してきたらどう対応するか

「全員取得するように」と指示されたとき、どう返すか。具体的に書く。

まず、取得は任意だと、落ち着いて伝える。感情的になる必要はない。むしろ逆効果だ。法的根拠を示せば、それで足りる。

言い方はシンプルでいい。「番号法では申請は任意とされており、取得しないことで不利益を受けることはないと理解しています」。これを伝える。それだけだ。

✅ やること:会社とのやりとりは必ず記録に残してください。メール、録音、メモなど形式は問いません。後々のトラブル防止に役立ちます。

マイナ保険証をめぐる現在の状況

2024年12月2日。この日から従来の健康保険証の新規発行が止まった。これで不安になった人は多い。「保険証がないと病院に行けないのでは」と。

でも、マイナンバーカードがなくても保険診療は受けられる。資格確認書という書類があるからだ。

資格確認書は申請不要で、自動で交付される。有効期限は最長5年。マイナンバーカードを取らなくても、医療機関で保険診療を受ける権利は何も変わらない。ここは誤解している人が本当に多いので、もう一度書く。変わらない。

職場でありがちなトラブルのパターン

例えば、こんなケースが起こりうる。

ある会社で、人事部が「業務効率化のため全員マイナンバーカード取得」という通達を出す。従業員の一人が断ると、「協調性がない」と言われ、人事評価を下げると匂わされる。労働相談の現場では、この手の話は珍しくない。

これは明らかに不当な圧力だ。マイナンバーカードの取得拒否を理由とした不利益取扱いは、違法の可能性が高い。任意のはずのものを、評価で締め上げる。やっていることが筋違いなのだ。

⚠️ 注意:転職時は保険証の切替にタイムラグが生じる場合があります。この期間は資格確認書や前職の保険証(有効期間内)で対応できます。

労働者として知っておくべきメリット・デメリット

正直に書く。マイナ保険証にはメリットもある。労働者の味方だからといって、片方だけ見せるのはフェアじゃない。両方並べる。

マイナ保険証のメリット

  • 高額療養費の限度額が自動適用される
  • 過去の薬剤情報を医師と共有できる
  • 転職時の手続きが簡素化される場合がある

デメリット・懸念点

  • ひも付けミスによる他人の医療情報が表示される
  • 読み取りエラーで受診に時間がかかる
  • 個人情報漏洩のリスク

利用率は約50〜64%で推移している。まだ多くの国民が様子見だ。

つまり、急ぐ理由はない。あなたのペースで決めればいい。

よくある疑問 Q&A

Q: 会社がマイナンバーカード取得を業務命令にしたらどうなりますか?
A: 業務命令としても法的根拠がないため無効です。取得は完全に任意であり、業務命令で強制することはできません。拒否しても懲戒処分の対象にはなりません。
Q: 資格確認書はいつまで使えますか?
A: 最長5年間有効です。また、期限切れの保険証も2026年7月末までは暫定的に使用できます。マイナンバーカードがなくても当面は医療を受けられます。
Q: マイナポイント事業に1兆円以上使ったのに返納が増えているのはなぜですか?
A: トラブルの多さや個人情報への不安が原因と考えられます。政府の想定ほど普及が進んでいないのが現状です。労働者としては冷静に判断することが大切です。

すぐやること 3つ

  1. 会社の取得要請は断れることを確認する
    任意である旨を理解し、必要に応じて人事部に説明する準備をしておきましょう。
  2. 資格確認書の発送状況を確認する
    加入している健康保険組合に問い合わせ、資格確認書がいつ届くか確認してください。
  3. 転職予定がある場合は切替手続きを調べる
    保険証のない期間が生じないよう、事前に手続き方法を確認しておきましょう。

まとめ

  • マイナンバーカードの取得は完全に任意で、会社は強制できない
  • 資格確認書があればマイナ保険証がなくても医療を受けられる
  • 93万枚の返納は国民の慎重な判断の現れとも言える
  • 労働者は冷静に自分のペースで判断すれば良い

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※本記事は執筆時点の法令・判例に基づいて作成しています。法律は改正されることがあります。最新の情報や個別のご事情については、社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。

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