ドジャースの大谷翔平選手が2026年6月、第2子誕生のためチームを離れました。
MLB(米大リーグ)には「父親リスト(Paternity List)」という制度があります。
最長3日間、有給で子どもの誕生に立ち会える仕組みです。
(出典:THE ANSWER / 出典:Yahoo!ニュース)
「日本でも男性育休って取れるの?」と思った方へ。
現役社労士として解説します。
実は日本の制度は、MLBより圧倒的に手厚い内容になっています。
知らないまま損している人が多いのが現実です。
- 日本の産後パパ育休(出生時育児休業)の期間と給付金
- 職場に断られたときの具体的な対処法
- 申請のタイミングと押さえておくべき注意点
MLBは3日、日本は最長28日——制度の差を知っておこう
MLBの「父親リスト」は、選手が子どもの誕生に立ち会うための制度です。
最大3日間チームを離れることができます。
給与は全額支払われます。
では日本はどうか。
日本には「産後パパ育休」(正式名称:出生時育児休業)という制度があります。
子どもが生まれてから8週間以内に、最長28日間取得できます。
しかも2回に分割して取ることも可能です。
「給付金はもらえるの?」という疑問も多いです。
出生時育児休業給付金として、賃金の67%が支給されます。
さらに休業中は社会保険料が免除されます。
社会保険料とは、健康保険や厚生年金のことです。
従業員負担分も会社負担分もゼロになります。
実質的な手取りへの影響は、67%より小さくなります。
【実践メモ】
産後パパ育休は、会社の就業規則に記載がなくても申請できます。育児介護休業法という法律に直接基づく権利だからです。「うちの会社に制度がない」と言われても、諦める必要はありません。
職場で育休を断られたら?3つの対処法
制度はある。でも現実は違います。
「忙しいから」「前例がないから」という理由で断られるケースは少なくありません。
はっきり言います。
育休の取得を理由に不利益な扱いをすることは違法です。
育児介護休業法第10条が明確に禁止しています。
解雇はもちろん、降格や減給も同様に違法です。
対処法①:書面で申請し記録を残す
口頭だけで申請すると、後から「聞いていない」と言われるリスクがあります。
メールや書面で申請し、記録を残しましょう。
申請は出産予定日の2週間前までが原則の締め切りです。
対処法②:パタハラの言動はその場でメモする
「育休を取ったら評価が下がる」という言葉は要注意です。
「迷惑だ」という圧力もそうです。
これらはパタニティ・ハラスメント(パタハラ)にあたる可能性があります。
パタハラとは、育休取得を妨害する行為のことです。
2022年4月から、全企業にパタハラ防止措置の義務があります。
上司の発言はメモしておきましょう。
日付・時刻・発言内容・場所を記録します。
対処法③:外部の相談窓口を使う
社内での解決が難しい場合は、外部機関に相談できます。
費用はかかりません。
匿名での相談も可能です。
【実践メモ】
一人で抱え込まないことが大切です。パートナーと一緒に会社へ相談するか、社労士・弁護士に事前に相談しておくと、交渉の心強い後ろ盾になります。興味があれば、専門家への無料相談も活用してみてください。
よくある疑問 Q&A
- Q: 産後パパ育休は正社員でないと取れませんか?
- A: 取れます。パートや契約社員でも、引き続き雇用が見込まれる場合など一定の要件を満たせば取得できます。2022年の法改正で有期雇用者の要件が緩和されました。まず申請してみることが大切です。
- Q: 会社に「前例がない」と言われました。どうすれば?
- A: 前例がないことは断る理由になりません。産後パパ育休は法律上の権利です。「育児介護休業法に基づき申請します」と書面で伝えましょう。それでも認めない場合は、労働局への相談を検討してください。
- Q: 3日だけ取りたいのですが、可能ですか?
- A: もちろんです。産後パパ育休は最長28日ですが、1日からでも取れます。大谷選手のようにMLBの3日に合わせて短期間だけ取ることも全く問題ありません。取りやすい期間から始めることも選択肢のひとつです。
すぐやること 3 つ
- 出産予定日の2週間前までに申請書を提出する(書面またはメール)
- 給付金の実額をハローワークや社労士に確認する(賃金の67%+社会保険料免除の合算額)
- 断られたり嫌がらせを受けたらすぐ記録する(日付・発言内容・状況)
まとめ
- 大谷選手のMLB「父親リスト」は最大3日間。日本の産後パパ育休は最長28日で、制度としてははるかに手厚い
- 育休取得を理由とした解雇・降格・減給は育児介護休業法第10条で明確に禁止されており、違法
- 断られた場合は書面で記録を残し、総合労働相談コーナーなど無料の外部窓口を早めに活用する
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