台風6号(チャンミー)が強い勢力で日本に接近しています。Yahoo!ニュースによると、6月1日から沖縄・奄美に暴風域を伴って接近し、3日頃には西日本から東日本にも影響が及ぶ見込みです。最大瞬間風速は50m/sと予想されています。傘がさせる風ではありません。
結論から言います。台風時の出勤命令は、身の安全を理由に断れます。
暴風のなかを無理に出勤させて、もし通勤途中で大ケガをしたら誰が責任を取るのか。会社は守ってくれません。現役社労士として、台風時に労働者が持っている権利と、休んだときの給料の話まで具体的に解説します。読み終えれば、堂々と休むための法的な根拠が手に入ります。
- 台風時の出勤命令を断れる法的根拠
- 休んだときの給料の取り扱い
- 会社の安全配慮義務と労働者の自衛手段
台風時の出勤命令は断れる法的根拠
自然災害のとき、労働者には身の安全を守る権利があります。これは気分や根性の問題ではなく、法律で裏打ちされた権利です。
労働基準法による保護
労働基準法は、使用者に対して労働者の安全と健康を守る義務を課しています。会社は社員を消耗品のように扱ってよいわけではない、ということです。
暴風警報が出ている状況での出勤命令は、労働者の命と身体を危険にさらしかねません。こうした場面では、出勤を断ることに正当な理由があると認められます。安全より出社を優先しろという命令に、無条件で従う義務はありません。
労働契約法の安全配慮義務
労働契約法第5条は、使用者に労働者の生命・身体の安全を確保する義務を定めています。会社が社員を危険にさらしてはいけない、と条文ではっきり書かれているのです。
交通機関が止まり、外を歩くだけで危険な状況で無理な出勤を命じる。これは安全配慮義務に反する可能性があります。「出てこい」の一言で済む話ではありません。
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台風で休んだときの給料の取り扱い
多くの人が一番気にするのが、ここです。休んだら給料はどうなるのか。場合分けして整理します。
ノーワーク・ノーペイの原則
大前提として「働かなければ給料は発生しない」という原則があります。ただし、台風という不可抗力での欠勤には、別の考え方が入ってきます。次の3つを押さえてください。
- 労働者に責任がない事由による欠勤である
- 会社の指示で休業になった場合は休業手当の対象になる
- 有給休暇を使えば給料を確保できる
休業手当の支給要件
会社が「台風のため本日は休業」と指示した場合、労働基準法第26条により、平均賃金の60%以上の休業手当を支払わなければなりません。これは会社の善意ではなく、法律上の義務です。
一方、自分の判断だけで休んだ場合は、基本的に無給です。ここで効くのが有給休暇です。前日や当日に有給を申し出れば、休んでも給料を確保できます。台風のときこそ、有給は労働者の盾になります。
会社の対応と労働者の自衛手段
台風時の会社対応は、本当にピンキリです。まともな会社とそうでない会社、両方の見分け方と対処法をまとめます。
まともな会社の対応例
社員を大切にする会社なら、こう動きます。
- 気象情報をもとに、早めに判断する
- 従業員の安全を最優先にした休業指示を出す
- 在宅勤務・テレワークに切り替える
- 出社時間の繰り下げや早退を認める
問題のある会社への対処法
残念ながら、暴風のなかでも出勤を強要する会社は実在します。そんな会社に当たってしまったときの対処法です。
まず、自分の安全を最優先にしてください。無理な出勤で事故に遭っても、会社が責任を取ってくれる保証はどこにもありません。命より大事な仕事はありません。
記録を残すことの重要性
会社が台風時に出勤を強要してきたら、証拠を残しましょう。後で「言った・言わない」の争いになったとき、記録があなたを守ります。残すべきものは次の4つです。
- 気象庁の警報・注意報の内容
- 交通機関の運行状況
- 会社からの指示内容(メール・LINE等)
- 出勤時の危険な状況の写真や動画
よくある疑問 Q&A
- Q: 台風警報が出ているのに「這ってでも来い」と言われました。従うべきでしょうか?
- A: 従う必要はありません。労働者の生命・身体の安全が最優先です。警報が出ている状況での出勤強要は、会社の安全配慮義務違反にあたる可能性があります。
- Q: 台風で電車が止まって遅刻した場合、遅刻扱いになりますか?
- A: 不可抗力による遅刻のため、通常は遅刻扱いにはなりません。ただし、会社の就業規則によって取り扱いが異なる場合があるので確認が必要です。
- Q: 台風で会社が休業になった場合、給料はもらえますか?
- A: 会社都合の休業の場合、労働基準法により平均賃金の60%以上の休業手当を受け取る権利があります。
すぐやること 3つ
- 気象情報を確認する – 気象庁の最新情報をチェックし、警報・注意報の発令状況を把握する
- 会社の方針を確認する – 台風時の出勤に関する会社の方針や就業規則を、事前に確認しておく
- 連絡手段を整える – 緊急時に上司や同僚と連絡を取れる手段を準備しておく
まとめ
- 台風時の出勤命令は、身の安全を理由に断れる
- 会社都合の休業なら休業手当、自分の判断で休むなら有給休暇の活用を検討する
- 自分の安全を最優先にし、無理な出勤は避ける
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※本記事は執筆時点の法令・判例に基づいて作成しています。法律は改正されることがあります。最新の情報や個別のご事情については、社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。
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