台風7号「メーカラー」が発達しながら日本へ近づいています。
今後、各地で交通機関のマヒが起きる可能性があります。
「会社に行けなかったら給料はどうなる?」
「在宅勤務を求める権利はある?」
現役の社会保険労務士として、労働者目線でお答えします。
出典:tysテレビ山口(Yahoo!ニュース)によると、台風7号は2026年6月21日現在フィリピン東部を移動中。最大瞬間風速60メートルへの発達が予想されています。今後の進路次第では、日本の交通機関に大きな影響が出る可能性があります。
結論から言います。台風で電車が止まって来られなかった場合、原則として給料カットは合法です。
ただし、会社が「来なくていい」と指示した場合は別のルールが適用されます。
この記事でわかること:
- 台風欠勤で給料カットが合法・違法になる線引き
- 「休業手当」がもらえるケースとは
- テレワークを求める権利があるかどうか
台風で来られなかった→給料はどうなる?
労働法には「ノーワークノーペイ」という原則があります。
働かなければ、賃金は発生しない。そういう意味です(民法624条・労働基準法24条)。
「理不尽だ」と感じる気持ちはわかります。
でも、これが現行法の原則です。
ただし例外があります。就業規則で「自然災害時は特別有給を付与する」と定めている会社もあります。
まず自社の就業規則を確認することが最初のステップです。
会社が「来なくていい」と言ったら→休業手当が発生する
ここが最重要ポイントです。
「台風が来るから今日は休んでください」と会社が判断した場合。
これは「使用者都合の休業」です。
この場合、会社は平均賃金の60%以上を「休業手当」として支払う義務があります。
根拠は労働基準法第26条です。
「不可抗力だから手当ゼロ」は間違いです。
「誰の判断で休んだか」が問題です。
自然災害でも、会社の判断なら会社の負担になります。
テレワークを「権利」として求めることはできる?
正直に言います。
現状、一般の労働者がテレワークを「法的権利」として請求することはできません。
ただし、例外が2つあります。
1つ目は、自社にテレワーク制度がある場合です。
就業規則や労使協定で定められていれば、制度に基づいて申請できます。
2つ目は、育児・介護を担っている労働者の場合です。
2025年4月に育児・介護休業法が改正されました。
育児や介護をしている労働者へのテレワーク「配慮義務」が会社に課されています。
さらに「安全配慮義務」も使えます。
会社には労働者の安全を守る義務があります(労働安全衛生法第3条)。
台風の中を無理に出勤させて事故が起きれば、会社の責任になります。
これを根拠に「在宅対応をお願いしたい」と交渉する余地はあります。
よくある疑問 Q&A
- Q: 台風で遅刻した。遅刻分の給料はカットされる?
- A: 原則としてカットされます。不可抗力による遅刻のため、ノーワークノーペイの原則が適用されます。ただし就業規則に「災害時は別扱い」とあれば話は変わります。まず就業規則を確認してください。
- Q: 「台風でも来い」と言われた。来られなかったら懲戒処分になる?
- A: 電車が止まって物理的に来られない場合、懲戒処分は困難です。正当な理由がある欠勤として扱われます。ただし、状況と理由を会社にきちんと報告・記録しておくことが大切です。
- Q: 会社が「台風だから休んでいい」と言ったのに給料が全額カットされた。どうすれば?
- A: 会社都合の休業であれば、平均賃金の60%以上の休業手当が必要です(労基法26条)。まず会社に支払いを求め、それでも対応がなければ労働基準監督署に相談してください。
今すぐやること 3つ
- 就業規則を確認する:「災害」「自然災害」「特別休暇」の条文を探す。特別有給・休業手当の定めがあれば使える。
- 会社の指示を記録に残す:「出勤せよ」「休んで良い」どちらの指示も、日時・手段(メールや口頭など)と一緒に記録する。後からトラブルになった時の証拠になる。
- 育児・介護がある方はテレワーク申請を検討する:2025年4月改正で会社の配慮義務が強化された。申請して断られた場合は、拒否の理由を書面で確認する。
まとめ
- 台風・自然災害による欠勤・遅刻は、原則として賃金カットが合法(不可抗力の原則)
- 会社が自主的に休業させた場合は平均賃金60%以上の休業手当が必要(労基法26条)
- テレワークは原則として法的権利ではないが、育児・介護がある場合は2025年改正で配慮義務あり
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