女性労働者の約7割が「仕事を辞めたい」と感じている。そのうち生理休暇を取得できていない人は85.7%にのぼる。(出典:Yahoo!ニュース)
生理休暇は労働基準法68条で認められた権利です。会社に「拒否する権限」はありません。現役社会保険労務士の立場から、この問題を解説します。
この記事でわかること:
- 生理休暇の法的根拠と取り方
- 取れない場合の会社側の「事情」と対抗手段
- 今すぐできる行動
生理休暇とは何か。法律の話を3分で
根拠条文は労働基準法第68条です。「生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求した場合、その日に就業させてはならない」と定めています。
つまり、会社は「ダメ」と言えません。これが原則です。
ただし、注意点が一つあります。生理休暇は有給か無給かを会社が決められる仕組みになっています。給与が出ない会社もあります。これは違法ではありません。
そのため「休むと給料が減る」という経済的なプレッシャーが、取得を妨げている一因になっています。
なぜ85%が取れないのか。会社側の事情も知っておく
この数字は深刻です。法律上は取れるはずなのに、なぜ取れないのか。
現場で多いのは次のパターンです。
- 「制度があるのを知らなかった」(周知不足)
- 「申請しづらい雰囲気がある」(職場文化の問題)
- 「無給なので損する気がする」(経済的ハードル)
- 「上司に理由を細かく聞かれた」(プライバシー侵害の可能性)
一方で会社側の事情も理解しておく必要があります。中小企業では人員が少なく、休まれると現場が回らないケースもあります。
だからといって、取得を妨害してよいという理由にはなりません。ただ、申請する際に「今日は休みます」と一言連絡するだけで、職場との関係がスムーズになることも多いです。
取れない場合、具体的にどうするか
申請したのに却下された。そんなときの対処を段階別に整理します。
まずは会社内で解決を試みる。上司ではなく、人事担当者や総務に相談するのが先です。担当者が制度を知らないケースも実際にあります。
それでも改善しないなら、外部の窓口を使います。
- 労働基準監督署:法律違反の是正を求められる。匿名での相談も可能。
- 都道府県労働局の総合労働相談コーナー:まず話を聞いてもらうだけでもOK。
証拠の記録は、感情的になっているときほど大切です。冷静にメモするだけで、その後の選択肢が広がります。
よくある疑問 Q&A
- Q: 生理休暇を申請するとき、理由を詳しく説明しないといけませんか?
- A: 基本的には不要です。「生理休暇を取ります」という意思表示で足ります。症状の詳細や診断書の提出を強制することは、プライバシーの観点から問題があります。ただし、社内規程に申請手続きが定められている場合は、その手順に従ってください。
- Q: 生理休暇は有給ですか?
- A: 法律上は有給か無給かを会社が自由に決められます。会社の就業規則を確認してください。無給でも休む権利自体はあります。
- Q: パートやアルバイトでも生理休暇は取れますか?
- A: 取れます。労働基準法は正社員・パート・アルバイトを問わず適用されます。雇用形態による制限はありません。
すぐやること 3つ
- 会社の就業規則を確認する:生理休暇の規定があるか、有給か無給かを把握する。規則がなくても法律上の権利は存在します。
- 申請を却下された記録をつける:日付・状況・担当者の言動をメモしておく。後で相談するときの根拠になります。
- 困ったら労働局の相談窓口に電話する:全国どこでも無料で相談できます。一人で抱え込まなくて大丈夫です。
まとめ
- 生理休暇は労働基準法68条に基づく権利。会社は拒否できない。
- 有給か無給かは会社が決められるが、取得を妨害することは違法になりうる。
- 取れない場合は記録を残した上で、社内→労働基準監督署・労働局の順で相談する。
※本記事は執筆時点の法令・判例に基づいて作成しています。法律は改正されることがあります。最新の情報や個別のご事情については、社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。
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