職場で「生理が辛い」と言い出せない。そんな状況が続いている女性は少なくない。ある調査によれば、生理休暇を取得できていない女性労働者は85.7%にのぼるという。(出典:Yahoo!ニュース)
結論から言う。生理休暇は労働基準法第68条で定められた権利だ。会社に拒否する権限はない。現役社会保険労務士の立場から、この問題を正面から解説する。
この記事でわかること:
- 生理休暇の法的根拠と正しい取り方
- 取れない理由と、会社に対してできる対抗手段
- 今日からできる具体的な行動
労働基準法第68条とは何か
条文はシンプルだ。「生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求した場合、その日に就業させてはならない」——これが労働基準法第68条の内容だ。
「著しく困難」という言葉が入っているが、証明を求める権限は会社にない。本人が「辛い」と判断して請求すれば、それで足りる。
一点だけ確認しておきたいことがある。生理休暇を有給にするか無給にするかは、会社が就業規則で決められる仕組みになっている。無給でも違法ではない。ただし「休むことができる」という権利そのものは、有給・無給に関わらず存在する。
「休んだら給料が減る」という経済的なプレッシャーが取得を妨げているケースは多い。これは制度設計の問題でもある。だが、権利があることと、使いやすいかどうかは別の話だ。
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なぜ85%が取れないのか
法律上は取れるはずなのに、なぜこれほど取得できない人が多いのか。現場で出てくるパターンを整理する。
- 「そんな制度があると知らなかった」(会社からの周知がない)
- 「申請すると白い目で見られそう」(職場の雰囲気の問題)
- 「無給になるなら有給休暇を使った方がいい」(経済的ハードル)
- 「上司に症状を細かく説明させられた」(プライバシー侵害の可能性)
中小企業では人員が少なく、一人が休むと現場が厳しくなるという事情も実際にある。だからといって、取得を妨害していい理由にはならない。これははっきり言える。
ただ現実問題として、「今日は生理休暇を使います」と一言連絡するだけで、職場との摩擦が減ることはある。権利を行使する側が気を遣う必要はないが、伝え方の工夫で状況が変わることもある。
申請を却下された。そのときどうするか
段階を追って整理する。
まず社内で解決を試みる。直属の上司に言いにくければ、人事担当や総務部門に相談するのが先だ。担当者が制度の存在自体を知らないケースは、実際にある。「法律で定められた権利なので確認してほしい」と伝えるだけで動くこともある。
それでも動かないなら、外部の窓口を使う。
- 労働基準監督署:法律違反の是正を求められる。匿名での相談も可能。
- 都道府県労働局の総合労働相談コーナー:まず話を聞いてもらうだけでもいい。
記録は、感情的になっているときほど意識的につけてほしい。「いつ・誰が・何と言ったか」——これだけでいい。後から選択肢が大きく広がる。
よくある疑問 Q&A
- Q: 生理休暇を申請するとき、理由を詳しく説明しないといけませんか?
- A: 基本的には不要です。「生理休暇を取ります」という意思表示で足ります。症状の詳細や診断書の提出を強制することは、プライバシーの観点から問題があります。ただし、社内規程に申請手続きが定められている場合は、その手順に従ってください。
- Q: 生理休暇は有給ですか?
- A: 法律上は有給か無給かを会社が自由に決められます。会社の就業規則を確認してください。無給でも休む権利自体はあります。
- Q: パートやアルバイトでも生理休暇は取れますか?
- A: 取れます。労働基準法は正社員・パート・アルバイトを問わず適用されます。雇用形態による制限はありません。
すぐやること 3つ
- 会社の就業規則を確認する:生理休暇の規定があるか、有給か無給かを把握する。規則がなくても法律上の権利は存在します。
- 申請を却下された記録をつける:日付・状況・担当者の言動をメモしておく。後で相談するときの根拠になります。
- 困ったら労働局の相談窓口に電話する:全国どこでも無料で相談できます。一人で抱え込まなくて大丈夫です。
まとめ
- 生理休暇は労働基準法第68条に基づく権利。会社は拒否できない。
- 有給か無給かは会社が決められるが、取得を妨害することは違法になりうる。
- 取れない場合は記録を残した上で、社内→労働基準監督署・労働局の順で相談する。
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※本記事は執筆時点の法令・判例に基づいて作成しています。法律は改正されることがあります。最新の情報や個別のご事情については、社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。
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