国会議員ボーナス638万円は違法?会社の賞与カットを社労士が解説

労働契約・就業規則

国会議員の期末手当、つまりボーナスが年間およそ638万円のまま据え置きと発表された。年収にすると約2513万円。この数字にコメントが4800件を超えて殺到した。怒っている人が、それだけいるということだ。

出典:Yahoo!ニュース

でも、このニュースを見て本当に気になるのはこっちのはずだ。「うちの会社、ボーナス減らされたけど、あれって違法じゃないの?」

現役の社会保険労務士として、賞与の法的な性格と、会社がボーナスを削れる線引きを解説する。読み終わるころには、あなたの賞与がどこまで守られているかがはっきりする。

  • 賞与と労働基準法の関係
  • 会社がボーナスカットできる条件
  • 違法なボーナス削減への対処法

賞与は労働基準法で保護されるのか?

先に結論を言う。賞与は、原則として労働基準法の「賃金」にはあたらない。

労働基準法は賃金を「労働の対償として支払われるもの」と定めている。ところが賞与については、支払えという直接の規定がどこにもない。だから「業績次第で出すかどうか決める」という扱いが法律上は通ってしまう。

ただし例外がある。次のどれかにあたるときだ。

  • 就業規則に「必ず支払う」と明記されている
  • 支給額が具体的に決まっている
  • 支給条件が明確に定められている
📌 ポイント:就業規則や雇用契約書に「基本給の○ヶ月分を必ず支給する」と書いてあれば、それは賃金として保護されます。

国会議員の期末手当との違い

国会議員の期末手当は、法律で支給額が決められている。出る金額が最初から保障されている報酬だ。経営が苦しいから今年は減らす、という話にはならない。

一方で、一般企業の賞与は会社の業績や個人の成果に紐づくことが多い。だから額がふらつく。これが普通だ。

ここが決定的に違う。議員のボーナスは法で守られ、私たち労働者のボーナスは法的な後ろ盾が薄い。同じ「ボーナス」という言葉でも、中身はまるで別物なのだ。

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会社がボーナスカットできる条件とは?

では、どういうときに会社は堂々と賞与を削れるのか。主に二つのパターンがある。

就業規則に根拠がある場合

「会社の業績により支給額を決定する」「支給しない場合がある」。こういう規定があれば、削減は適法になりうる。

そして実際、多くの会社がこの一文を入れている。つまり世の中の賞与の多くは「出たらラッキー」に近い性格を持っている。冷たい話だが、これが現実だ。

合理的な理由がある場合

規定があったうえで、こういう状況が重なるとカットは正当化されやすい。

  • 会社の売上が大幅に減少した
  • 赤字決算になった
  • コロナ禍などの不可抗力な事情
⚠️ 注意:ただし、役員報酬は据え置きなのに一般社員だけカットする場合は、不合理な差別として違法になる可能性があります。

違法なボーナスカットの例

逆に、こうなると違法を疑っていい。

  • 就業規則に明記された賞与を理由なく削減
  • 懲戒処分以外で個人だけを狙い撃ち
  • 労働組合への報復としてのカット

とくに最後の二つは要注意だ。会社は「業績が」と言うが、本音は「気に入らない社員を狙った」というケースがある。狙い撃ちは、規定があっても通らない。

自分の賞与が守られているかチェックする方法

やることは一つ。就業規則を確認する。これで、あなたの賞与がどの強さで守られているかが分かる。

就業規則の記載 法的保護
「基本給の○ヶ月分を支給する」 強い
「業績により支給額を決定」 弱い
「支給しない場合がある」 ほぼなし
✅ やること:就業規則は会社に請求すれば必ずもらえます。まずは自分の賞与規定を確認しましょう。

過去の支給実績も重要

就業規則に「業績連動」と書いてあっても、まだ諦めるのは早い。たとえば過去5年間、毎年ほぼ同じ額が払われ続けていたとする。すると労働者の側に「今年も出るはずだ」という期待権が生まれることがある。

その状態でいきなりゼロにされたら、違法になる余地は十分にある。だから給与明細は捨てずに取っておく。過去の支給実績は、いざというときの一番の証拠になる。

よくある疑問 Q&A

Q: 国会議員のように賞与を法的に保障してもらうことはできますか?
A: 労働組合との団体交渉で、賞与額を労働協約に明記してもらうことは可能です。ただし、会社の経営状況次第で変わることもあります。
Q: ボーナスカットされた場合、どこに相談すればいいですか?
A: まず労働基準監督署に相談してください。就業規則違反があれば指導してもらえます。個別の事情は社会保険労務士や弁護士に相談しましょう。
Q: 会社が赤字でも役員だけボーナスをもらっている場合は?
A: 不合理な格差として労働契約法違反になる可能性があります。労働組合があれば団体交渉を申し入れ、なければ個別に会社と話し合いましょう。

すぐやること 3つ

  1. 就業規則の賞与規定を確認 – 会社に請求して自分の賞与がどう定められているかチェック
  2. 過去の支給実績を記録 – 給与明細を保管し、継続的な支給実績があるか確認
  3. 不当なカットがあれば相談 – 労働基準監督署または社会保険労務士に相談

まとめ

  • 賞与は原則として労働基準法の保護が限定的で、会社の裁量が大きい
  • 就業規則に明記された賞与は法的に保護される
  • 国会議員の期末手当と一般企業の賞与では法的性格が大きく異なる

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※本記事は執筆時点の法令・判例に基づいて作成しています。法律は改正されることがあります。最新の情報や個別のご事情については、社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。

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