最近、中傷動画問題で懲戒解雇処分が話題になっています。Yahoo!ニュースによると、懲戒解雇では退職金が支給されず、失業保険の給付も制限されることがあります。
結論から言います。懲戒解雇されても、すべてを諦める必要はありません。
現役社会保険労務士として15年間、多くの懲戒処分案件を見てきました。実際には争える余地があるケースが多いのが現実です。
懲戒解雇の退職金はなぜ支給されないのか
懲戒解雇とは会社が労働者に科す最も重い処分です。つまり「会社に大きな損害を与えた」と判断された状態です。
多くの会社の退職金規程には「懲戒解雇の場合は退職金を支給しない」と書かれています。理由は単純で、重大な非違行為をした人には退職金という「お疲れ様でした」の意味合いのお金は払わないという考えです。
ただし、すべての懲戒解雇で退職金がゼロになるわけではありません。判例では「退職金の全額不支給は、よほど重大かつ悪質な行為に限る」とされています。
例えば以下のケースでは、退職金の一部または全部が認められる可能性があります。
- 長年勤務していて、これまでの貢献度が高い場合
- 非違行為が軽微で、懲戒解雇処分が重すぎる場合
- 会社の処分手続きに不備があった場合
失業保険はどうなる?給付制限の実際
懲戒解雇されると、失業保険(雇用保険の基本手当)に大きな影響があります。
最も大きな問題は「重責解雇」として扱われることです。
重責解雇とは「労働者の責めに帰すべき重大な理由による解雇」のことです。この場合、以下の制限を受けます。
| 項目 | 通常の離職 | 重責解雇 |
|---|---|---|
| 給付制限期間 | なし(すぐ受給開始) | 3ヶ月間給付なし |
| 給付日数 | 年齢・勤務期間で決定 | 短縮される場合あり |
| 国民健康保険料 | 軽減措置あり | 軽減措置なし |
実際には、懲戒解雇でも会社都合離職として認定されるケースもあります。会社の処分が不当だったと判断されれば、給付制限を受けない可能性があります。
争う方法:諦めずに専門家に相談を
懲戒解雇処分に納得できない場合、争う方法があります。
1. 労働審判・訴訟で処分の無効を求める
懲戒解雇が無効になれば、退職金も失業保険も通常通りの扱いになります。争点は以下の通りです。
- 処分理由が就業規則に明記されているか
- 処分が重すぎないか(相当性)
- 適正な手続きが踏まれたか
2. 退職金の減額交渉
全額不支給を一部支給に変更してもらう交渉です。特に長期勤務者は成功する可能性があります。
3. ハローワークでの離職理由変更申請
重責解雇の判定に納得できない場合、ハローワークに異議申立てができます。必要な証拠を集めて申請しましょう。
よくある疑問 Q&A
- Q: 懲戒解雇されたら転職に響きますか?
- A: 履歴書には「一身上の都合により退職」と書けます。ただし、転職先から前職の退職理由を詳しく聞かれた場合は正直に答える必要があります。
- Q: 退職金の代わりに何か受け取れるものはありますか?
- A: 未払いの残業代や有給買取、最後の月の給与は別問題です。これらは懲戒解雇でも請求できます。
- Q: 会社から「懲戒解雇か自己都合退職か選べ」と言われました
- A: 多くの場合、自己都合退職を選んだ方が有利です。退職金も失業保険も通常通り受けられる可能性が高いためです。
すぐやること 3つ
- 処分通知書をコピーして保管する
争うときの重要な証拠になります - ハローワークで離職票の内容を確認する
重責解雇の記載があれば異議申立てを検討 - 労働問題に詳しい弁護士・社労士に相談する
無料相談を活用して方針を決める
まとめ
- 懲戒解雇でも退職金が一部支給されるケースがある
- 失業保険の重責解雇判定はハローワークが個別に判断する
- 処分が不当なら労働審判や訴訟で争える
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※本記事は執筆時点の法令・判例に基づいて作成しています。法律は改正されることがあります。最新の情報や個別のご事情については、社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。
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