「退職代行を使ったら、転職活動で不利になるのでは」——そう心配している人は多い。
結論から言う。退職代行を利用した人の多くが、その後ちゃんと転職して新しい職場で働いている。
出典:PR TIMESによると、退職代行サービス「モームリ」が利用者3000人以上の退職後の状況を公開した。この調査結果を、現役の社会保険労務士として読み解いていく。
この記事で分かること:
- 退職代行利用者3000人の転職後の実態
- 退職代行を使っても転職が上手くいく理由
- 退職代行を使う際に必ず押さえておくべき手続き
「モームリ」3000人調査で分かったこと
今回の調査は、退職代行サービス「モームリ」を使って退職した3000人以上が対象だ。退職後の転職状況や、サービスへの満足度が詳しく分析されている。
特に注目したのは「退職を後悔していない」という回答の多さだ。パワハラや過重労働で追い詰められ、自分では辞表を出せなかった人が、退職代行を経て新しい生活に踏み出している。
「代行を頼むのは逃げだ」という声をたまに聞く。でも、逃げることと、次に進むことは別の話だ。調査の数字は、それを裏付けている。
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退職代行を使った後に転職が上手くいく理由
心の余裕が転職活動の質を変える
退職代行を使う人の多くは、職場で相当追い詰められた状態にある。パワハラ・長時間労働・上司からの嫌がらせ。そういう状況では、自分で「辞めます」の一言を言い出せなくて当然だ。
代行を使って職場から切り離されると、まず睡眠が変わる。食欲が戻る。それだけで、転職活動に使えるエネルギーが全然違う。
面接では当然、緊張する。でも精神的に追い詰められたまま臨む面接と、少し立て直した状態で臨む面接は、結果が違う。それは、支援の現場にいると実感することだ。
ブラック企業を辞めることは、あなたの人生を取り戻すことだ。
会社との交渉を代わりにやってもらえる
退職代行が代行するのは「辞める意思を伝えること」だけではない。有給消化の交渉・退職届の提出・貸与物の返却方法の調整など、退職に付随するやり取りを一手に引き受けてくれる。
ただし、退職代行の種類によってできることは変わる。
- 民間業者型:意思の伝達のみ。交渉は法律上できない
- 労働組合型:団体交渉権があるため、有給消化や退職条件の交渉が可能
- 弁護士型:未払い賃金の請求など、法的手続きを含む対応が可能
「未払い残業代がある」「嫌がらせを受けていた」という場合は、弁護士が運営するサービスを選んだほうがいい。費用は高くなるが、できることが根本的に違う。
会社との面倒なやり取りを代行に任せた分、転職先の調査や面接の準備に集中できる。時間の使い方が変わる。それが結果につながる。
退職代行を使うときに確認しておくこと
面接での退職理由の説明
転職の面接では「なぜ前の会社を辞めたのか」は必ず聞かれる。退職代行を使ったことを正直に言う必要はない。ただ、嘘をつく必要もない。
例えば、「職場環境が自分の価値観と合わなかった」「心身の健康を優先して判断した」という説明は、事実に沿っている。前の会社の悪口を並べるより、こうした言い方のほうが採用担当者にも伝わりやすい。
重要なのは「なぜ次の会社では長く働けると思うのか」に答えられる準備をすることだ。退職の理由より、次をどう考えているかのほうが、面接官は見ている。
退職時に受け取るべき書類を確認する
退職代行を使う際に、見落としがちなのが書類の受け取りだ。転職先での手続き・失業保険の申請・年末調整に必要な書類が後から揃わないと、かなり面倒なことになる。
必ず受け取るべき書類は以下のとおり:
- 離職票
- 源泉徴収票
- 雇用保険被保険者証
- 年金手帳(会社が保管している場合)
退職代行業者に依頼するときに、「これらの書類を郵送で受け取りたい」と明確に伝えておく。口頭でなく、できれば書面(メール)で残しておくと安心だ。
なお、会社が離職票の発行を引き延ばすケースがある。ハローワークは退職日から10日以内の発行を会社に義務付けているので、遅れるようであれば退職代行業者を通じて督促してもらう。
よくある疑問 Q&A
- Q: 退職代行を使ったことは転職先にバレますか?
- A: 基本的にバレません。転職先の会社が前職に連絡することはありませんし、退職代行を利用したという記録が残ることもありません。
- Q: 退職代行の費用はどのくらいかかりますか?
- A: 一般的に2万円〜5万円程度です。労働組合運営のサービスは比較的安価で、弁護士運営のサービスはやや高額になります。
- Q: 有給休暇は消化できますか?
- A: はい、退職代行業者が有給消化の交渉も行います。ただし、会社の就業規則や業務状況によっては、全て消化できない場合もあります。
すぐやること 3つ
- 転職理由を整理する – 退職代行を使った背景を前向きな理由に言い換える準備をしましょう
- 必要書類のリストを作る – 退職時に受け取るべき書類を確認し、退職代行業者に依頼内容を明確にしましょう
- 転職活動の計画を立てる – 退職後すぐに動けるよう、求人サイトの登録や履歴書の準備を始めましょう
まとめ
- 退職代行利用者の多くが転職に成功し、新しい職場で働いている
- 精神的負担が軽減されることで、転職活動に集中できる
- 面接では退職理由を前向きに説明する準備が重要
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※本記事は執筆時点の法令・判例に基づいて作成しています。法律は改正されることがあります。最新の情報や個別のご事情については、社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。
Photo by Rodeo Project Management Software on Unsplash

