ボーナス格差28万円|賞与は義務?減額への対抗策

賃金・待遇

2025年夏のボーナス速報。国家公務員の平均は約70万6,700円。民間会社員の平均は約42万6,337円。その差は実に約28万円です。出典:Yahoo!ニュース

「うちの会社、今年もボーナスが少ない…」「そもそもボーナスって払わないといけないの?」

この疑問に、社会保険労務士の立場からお答えします。

  • 公務員と会社員でボーナス格差が生じる仕組み
  • 賞与は法律上の義務かどうか
  • 減額・不支給が違法になるケース

なぜ公務員と会社員でボーナスが28万円も違うのか

公務員のボーナスは「期末手当・勤勉手当」と呼ばれます。人事院が毎年、民間企業の支給実態を調査します。その結果をもとに金額が決まります。

理屈では「民間並み」になるはずです。ではなぜ格差が生じるのでしょうか。

民間企業の調査対象には、5人以上の小規模企業も含まれます。ボーナスが少ない・ゼロの企業が、平均を押し下げます。

大企業だけで比べると格差は縮まります。自分の会社の規模を意識することが大切です。

📌 ポイント:公務員のボーナスは毎年6月と12月に確実に支給されます。民間は業績によって大きく変動します。「安定性」という点では、公務員が有利です。

賞与(ボーナス)は法律上の義務なのか

結論から言います。賞与の支払いは、法律上の義務ではありません。

労働基準法に「ボーナスを払え」という条文はありません。賞与は会社が任意で支給するものだからです。

ただし、例外があります。就業規則や雇用契約書に「賞与を支給する」と明記されている場合です。その場合は、支給義務が発生します。

会社が一方的に「今年はゼロ」とすることは、原則できません。

⚠️ 注意:就業規則に「業績による」「支給しないことがある」という留保がある場合は別です。不支給でも違法にはなりません。まず自分の就業規則を確認することが第一歩です。

ボーナス減額・不支給が違法になるケース

ケース1:就業規則に支給規定があるのに払われない

「年2回賞与を支給する」と就業規則に書いてある。なのに突然ゼロになった。

これは労働条件の不利益変更にあたります。つまり、一方的な変更は原則できません。

就業規則を変更するには条件があります。合理的な理由と、労働者への説明が必要です(労働契約法10条)。

ケース2:育休・産休を理由に大幅に減額される

育児休業・産前産後休業中にボーナスが大幅に削られた。これは問題です。

育児・介護休業法は、育休取得を理由とした不利益取扱いを禁止しています。

休業中の不就労分を比例減額することは、許容される場合があります。ただし、「育休を取ったから全額カット」のような扱いは違法になりえます。

✅ やること:育休前後のボーナス支給額を記録しておきましょう。給与明細は必ず保管してください。

ケース3:同じ仕事なのにパートだけボーナスゼロ

パートタイム・有期雇用労働法(2020年施行)があります。不合理な待遇格差は禁止されています。

正社員と同じ仕事をしているのに、パートだけボーナスがゼロ。これが合理的かどうかが争点になります。

最高裁(大阪医科薬科大学事件・2020年10月)は判断を示しました。有期雇用への賞与不支給が直ちに違法とはならないとしています。ただし、個々の状況によって判断は変わります。

「同じ仕事なのに差がある」と感じたら、会社に説明を求める権利があります。

よくある疑問 Q&A

Q: ボーナスカットを突然言われました。拒否できますか?
就業規則に支給規定がある場合、一方的なカットは原則できません。まず就業規則と雇用契約書を確認してください。「業績による」という留保がある場合は、会社に業績悪化の根拠を確認する権利があります。
Q: 産休中にボーナスが大幅に減額されました。違法ですか?
休業中の不就労分を比例減額することは、許容される場合があります。ただし、産休・育休取得を「理由」とした不利益な扱いは禁止されています。状況の詳細は、社労士や労働局に相談することをおすすめします。
Q: 「支給日在籍者のみ支払う」という規定は有効ですか?
「支給日在籍要件」は原則として有効とされています。退職するタイミングには注意が必要です。転職・退職を検討している方は、ボーナス支給日を確認してから動くことが賢明です。

すぐやること 3 つ

  1. 就業規則のボーナス規定を確認する。「支給する」と明記されているか、「業績による」という留保があるかをチェックする。
  2. 過去の給与明細を保管する。ボーナスの減額・不支給トラブルが起きたとき、証拠として役立てる。
  3. 不合理な扱いを感じたら記録する。業務内容の違い・扱いの差をメモする。必要なら社労士や労働局に相談する。

まとめ

  • 公務員と会社員のボーナス格差は約28万円(2025年夏)。調査対象の違いが格差を生んでいる。
  • 民間企業のボーナスは法律上の義務ではない。ただし就業規則に支給規定があれば払う義務が生じる。
  • 育休取得を理由とした大幅な減額・有期雇用の不合理な格差は違法になりうる。まず就業規則の確認が第一歩。

PR

今の働き方、このままでいいのか迷っていませんか?

キャリアのプロがあなたの強み・価値観を整理し、納得のいくキャリアプランを一緒に考えます。初回相談は無料です。

キャリアコーチング【ポジウィルキャリア】に無料相談する ›

PR

職場のストレス、一人で抱えていませんか?

公認心理師(国家資格)によるオンラインカウンセリングで、仕事や人間関係の悩みを相談できます。

オンラインカウンセリング【Kimochi】で相談する ›

※本記事は執筆時点の法令・判例に基づいて作成しています。法律は改正されることがあります。最新の情報や個別のご事情については、社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。

Photo by Jakub Żerdzicki on Unsplash

タイトルとURLをコピーしました