ゲーム会社のゲームリパブリックが破産手続きに入ったと報じられました。(出典:Yahoo!ニュース)
ある日突然「会社が倒産する」と告げられたとき、頭の中をよぎるのは給料のことだ。先月分がまだ振り込まれていない。退職金はどうなる。そんな不安は当然だし、正直な話だ。
結論から言う。会社が倒産しても、未払いの給料を受け取れる制度がある。
現役社労士として、この制度の使い方と注意点を整理する。
未払賃金立替払制度とは何か
会社が倒産すると、賃金を払う資力がなくなる。そこで使えるのが「未払賃金立替払制度」だ。
独立行政法人「労働者健康安全機構」が、未払いの賃金を立て替えて払ってくれる仕組みで、財源は事業主が毎年納めている労働保険料の一部だ。つまり、もともと会社が積み立ててきたお金でカバーされる。
立替払いには上限がある。退職時の年齢によって異なり、例えば45歳以上の方は最大370万円が上限だ。30歳未満は上限が低くなるため、注意が必要だ。
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手続きの流れ:何をすればいいか
立替払いを受けるには、いくつかのステップがある。難しくはないが、順番と期限を間違えると後悔する。
ステップ1:破産手続きの開始を確認する
申請するには、まず「法律上の倒産」が必要だ。裁判所が破産手続き開始を決定したケースが代表例になる。会社が「経営難」「解散予定」というだけでは申請できない。倒産の正式な決定を確認することが出発点だ。
ステップ2:労働基準監督署に申請する
申請先は、会社の所在地を管轄する労働基準監督署だ。ハローワークや市区町村ではない。間違えると手続きがやり直しになるので、ここは確認しておいてほしい。
申請期限は、倒産の事実が確認された日(認定日)から2年以内。余裕があるように見えて、書類を集めるのに時間がかかる。早めに動いた方がいい。
ステップ3:必要書類を準備する
申請に必要な主な書類は以下のとおりだ。
- 未払賃金立替払申請書
- 退職したことを証明する書類
- 未払い賃金の額を証明できる書類(給与明細・賃金台帳など)
- 破産手続き開始の決定書のコピー(裁判所から入手)
退職金・健康保険・雇用保険はどうなるか
給料だけでなく、他の手続きも同時に進める必要がある。それぞれ確認しよう。
退職金
退職金も未払賃金立替払の対象に含まれる。ただし、退職金規程がある会社に限られる。また、上限額の中で賃金と退職金が合算されるため、全額受け取れないこともある。自分の会社に退職金規程があるかどうか、今のうちに確認しておいてほしい。
健康保険
会社が倒産すると、翌月から健康保険の資格を失う。退職日の翌日から14日以内に、国民健康保険への加入手続きが必要だ。市区町村の窓口で手続きできる。期限を過ぎると遡って保険料を請求される場合があるので、忘れずに動いてほしい。
雇用保険(失業給付)
倒産による退職は「会社都合」扱いになる。自己都合退職と違い、待機期間なしで失業給付を受け取れる。ハローワークに離職票を持参して、すぐに手続きを始めてほしい。離職票がもらえない場合は後述のQ&Aを参照してほしい。
よくある疑問 Q&A
- Q:会社から離職票がもらえない場合はどうすればいいですか?
- A:ハローワークに「離職票が交付されない」と申し出れば、雇用保険の資格喪失確認を行ってもらえます。破産管財人や裁判所に問い合わせる方法もあります。
- Q:未払い賃金の証拠が手元にない場合はどうなりますか?
- A:給与明細がなくても、銀行口座への振込履歴で支払い実績を確認できることがあります。また、破産管財人が賃金台帳を保管している場合もあるため、早めに連絡を取りましょう。
- Q:立替払いの申請はいつまでにすればいいですか?
- A:認定日から2年以内です。ただし、期限が近づいてからでは書類収集が難しくなる可能性があります。できるだけ早く動き始めることをおすすめします。
すぐやること
- 給与明細・雇用契約書・賃金台帳のコピーを今すぐ手元に確保する
- 会社所在地を管轄する労働基準監督署に連絡し、申請方法を確認する
- ハローワークに行き、雇用保険の手続きを始める(会社都合退職のため、待機期間なし)
まとめ
- 会社が倒産しても、未払賃金立替払制度を使えば給料・退職金を受け取れる可能性がある
- 申請先は労働基準監督署。期限は認定日から2年以内
- 倒産による退職は会社都合扱いになり、失業給付を早期に受け取れる
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※本記事は執筆時点の法令・判例に基づいて作成しています。法律は改正されることがあります。最新の情報や個別のご事情については、社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。
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