「内定を承諾するまで帰すな」「他社の選考を全部断れ」。
売り手市場が続く中で、就活エージェントによる「オワハラ」が深刻な問題になっています。社労士の立場から、法的な問題点と具体的な対処法を整理します。
ライブドアニュースによると、就活の売り手市場が続く中で、就活エージェントが学生に対し「他社の選考を辞退しろ」「今すぐ承諾しないと取り消す」といった圧力をかけるオワハラが問題になっています。
オワハラは法律に違反する行為
「オワハラ」という言葉は俗語ですが、その中身は複数の法律に抵触し得る行為です。
「承諾しないと内定を取り消す」という発言が学生を強制するための脅しであれば、刑法上の強要罪(刑法第223条)に該当する可能性があります。学生が自分の意思で就職先を決める権利を、力ずくで奪う行為だからです。
また、職業安定法では求人紹介事業者に対し、求職者の利益を最優先にすることを求めています。エージェントが自社の成果報酬を優先するあまり学生に圧力をかけるのは、この法律に違反する行為です。
内定辞退を阻止する行為は認められない
労働契約法の考え方においても、労働者——内定者も含む——には退職(辞退)の自由があります。内定段階であっても、学生は自由に辞退できます。
会社やエージェントがこれを妨害する行為は、学生の基本的な権利を侵害するものです。
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オワハラを受けたときの具体的な対処法
1. 証拠を記録する
まず、状況を記録することが最優先です。
会話中にスマートフォンで録音できる状況であれば、録音しておいてください(自分が当事者である会話の録音は、相手の許可がなくても違法にはなりません)。録音が難しい場面なら、その場で詳細なメモを残しましょう。
2. 毅然とした態度で断る
圧力をかけられたときは、慌てず冷静に対応してください。「検討させていただきます」「他社との比較も必要です」と答えれば十分です。
脅しに屈する必要はありません。あなたには断る権利があります。
3. 適切な機関に相談する
深刻なオワハラを受けた場合は、一人で解決しようとせず、以下の機関を使ってください。
- 大学のキャリアセンター
- ハローワーク(職業安定法違反として)
- 労働基準監督署
- 弁護士会の無料相談
なぜオワハラは起きるのか
構造的な話をします。就活エージェントは、学生を企業に入社させて成果報酬を得るビジネスモデルです。内定を辞退されると収益がゼロになる。だから、なんとしても承諾させたいという動機が働く。
売り手市場で学生の選択肢が増えるほど、企業側も採用に焦ります。その焦りがエージェントを通じて、学生への圧力として噴き出しているのが現状です。
ただし、どんな事情があっても、学生を脅迫する行為は正当化されません。エージェントの収益事情は、学生が不当な扱いを甘受する理由にはなりません。
よくある疑問 Q&A
- Q: 内定を辞退すると、本当に法的な問題になりますか?
- A: いいえ、内定辞退は学生の正当な権利です。法的な問題になることはありません。ただし、入社直前の辞退は企業に迷惑をかけるため、早めの連絡を心がけましょう。
- Q: エージェントから「損害賠償を請求する」と言われました。
- A: 通常の内定辞退で損害賠償が認められることはほとんどありません。脅しの可能性が高いので、大学のキャリアセンターや弁護士に相談してください。
- Q: 録音は相手に許可を得なくても大丈夫ですか?
- A: 自分が当事者である会話の録音は、相手の許可がなくても法的に問題ありません。ただし、録音した音声を第三者に無断で公開するのは避けてください。
すぐやること 3つ
- オワハラを受けた場合は、必ず記録を残す(録音・メモなど)
- 大学のキャリアセンターに相談する(専門的なアドバイスが受けられます)
- 信頼できる友人や家族に状況を伝える(一人で抱え込まない)
まとめ
- オワハラは職業安定法違反の可能性がある違法行為です
- 内定辞退は学生の正当な権利であり、誰も阻止できません
- 証拠を記録し、適切な機関に相談することが重要です
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※本記事は執筆時点の法令・判例に基づいて作成しています。法律は改正されることがあります。最新の情報や個別のご事情については、社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。
Photo by Gabrielle Henderson on Unsplash

