マイナンバーカード93万枚が返納されたというニュースが話題になっています。Yahoo!ニュースの報道によると、2025年7月末時点で本人希望による返納が93万枚に上ったとのこと。
結論から言うと、会社はあなたにマイナンバーカードの取得を強制できません。
現役社労士として、このニュースが労働者に与える影響について解説します。特に、職場でカード取得を迫られている方は必見です。
マイナンバーカード取得は完全に任意
まず押さえておきたい重要なポイントです。マイナンバーカードの取得は番号法上、完全に任意です。
番号法では申請主義を採用しています。つまり、本人が申請しない限り、カードは発行されません。会社が従業員に取得を強制する法的根拠はどこにもないのです。
実際に、多くの労働者がこの点を理解していません。「会社に言われたから仕方なく」という理由で取得している方もいるでしょう。
しかし、法的には全く義務ではないのです。あなたには拒否する権利があります。
会社が強制してきたらどう対応するか
もし会社から「全員取得するように」と指示された場合の対応方法をお伝えします。
まず、取得は任意である旨を丁寧に説明してください。感情的になる必要はありません。法的根拠を示すだけで十分です。
「番号法では申請は任意とされており、取得しないことで不利益を受けることはないと理解しています」と伝えましょう。
マイナ保険証をめぐる現在の状況
2024年12月2日から従来の健康保険証の新規発行が停止されました。これにより、労働者の間で不安が広がっています。
しかし、マイナンバーカードがなくても保険診療は受けられます。資格確認書という書類があるからです。
資格確認書は申請不要で自動交付されます。有効期限は最長5年です。マイナンバーカードを取得しなくても、医療機関で保険診療を受ける権利は何も変わりません。
職場での実際のトラブル事例
私が相談を受けた事例をご紹介します。
ある製造業の会社で、人事部が「業務効率化のため全員マイナンバーカード取得」という通達を出しました。従業員の一人が取得を拒否すると、「協調性がない」として人事評価を下げると言われたケースです。
この場合、明らかに不当な圧力です。マイナンバーカードの取得拒否を理由とした不利益取扱いは違法の可能性が高いです。
労働者として知っておくべきメリット・デメリット
マイナ保険証には確かにメリットもあります。公平な視点で整理してみましょう。
マイナ保険証のメリット
- 高額療養費の限度額が自動適用される
- 過去の薬剤情報を医師と共有できる
- 転職時の手続きが簡素化される場合がある
デメリット・懸念点
- ひも付けミスによる他人の医療情報が表示される
- 読み取りエラーで受診に時間がかかる
- 個人情報漏洩のリスク
利用率は約50〜64%で推移しており、まだ多くの国民が様子見の状態です。
無理に急ぐ必要はありません。あなたのペースで判断すれば良いのです。
よくある疑問 Q&A
- Q: 会社がマイナンバーカード取得を業務命令にしたらどうなりますか?
- A: 業務命令としても法的根拠がないため無効です。取得は完全に任意であり、業務命令で強制することはできません。拒否しても懲戒処分の対象にはなりません。
- Q: 資格確認書はいつまで使えますか?
- A: 最長5年間有効です。また、期限切れの保険証も2026年7月末までは暫定的に使用できます。マイナンバーカードがなくても当面は医療を受けられます。
- Q: マイナポイント事業に1兆円以上使ったのに返納が増えているのはなぜですか?
- A: トラブルの多さや個人情報への不安が原因と考えられます。政府の想定ほど普及が進んでいないのが現状です。労働者としては冷静に判断することが大切です。
すぐやること 3つ
- 会社の取得要請は断れることを確認する
任意である旨を理解し、必要に応じて人事部に説明する準備をしておきましょう。 - 資格確認書の発送状況を確認する
加入している健康保険組合に問い合わせ、資格確認書がいつ届くか確認してください。 - 転職予定がある場合は切替手続きを調べる
保険証のない期間が生じないよう、事前に手続き方法を確認しておきましょう。
まとめ
- マイナンバーカードの取得は完全に任意で、会社は強制できない
- 資格確認書があればマイナ保険証がなくても医療を受けられる
- 93万枚の返納は国民の慎重な判断の現れとも言える
- 労働者は冷静に自分のペースで判断すれば良い
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※本記事は執筆時点の法令・判例に基づいて作成しています。法律は改正されることがあります。最新の情報や個別のご事情については、社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。
