「育児のために時短勤務を申請したら、契約をパートに変更された」
「産休・育休を申し出たら、会社から『うちには必要ない』と言われた」
信じられないことですが、いまだにこんな理不尽な対応をする会社が存在します。
今回取り上げるのは、 実際にあったマタニティハラスメント(マタハラ)の裁判例 です。
育児と仕事を両立しようとした女性が、会社から 一方的に雇用形態を変更され、不利益を受けた というケースですが、 裁判所はこの会社の対応を「違法」と判断し、女性の主張を認めました。
実は、私のもとにも マタハラに関する相談が後を絶ちません。
・「育児を理由に評価を下げられた」
・「時短勤務を希望したら、嫌がらせを受けた」
・「産休明けに、突然契約終了を告げられた」
このような 「出産・育児を理由とする不利益な扱い」 は、すべて 法律で禁止されています!
会社が「うちのルールだから」と言ったとしても、それは 通用しません。
本記事では、
✅ どんな行為がマタハラに当たるのか?
✅ 会社の対応はどこまで許されるのか?
✅ 被害に遭ったら、どう主張すればいいのか?
を、実際の裁判例をもとに詳しく解説 します。
もし、あなたが今「このまま我慢するしかないのかな…」と悩んでいるなら、 この記事を読めば、不当な会社に立ち向かう方法が分かります。
気づいていますか?それ、マタハラです
- 「育児しながら働くのは大変だから、少し条件が悪くなるのは仕方ない」
- 「時短勤務を希望したら、契約社員に変更された」
- 「出産したら賞与がなくなるのは当然でしょ?」
もしあなたがこのように言われ、 「そういうものなのかな…」と受け入れてしまっているなら、要注意です。
それ、 法律違反の可能性が高いマタハラ(マタニティ・ハラスメント) です。
出産・育児を理由に、
✅ 雇用形態を勝手に変えられる
✅ 給与や賞与を減額される
✅ 育休の取得を拒否される
✅ 「辞めたほうがいい」と暗に圧力をかけられる
これらは 育児・介護休業法や労働基準法に違反する行為 です。
しかし、 マタハラを受けている当事者は、それが違法な扱いだと気づいていないことが多い もの。
なぜなら、会社の上司や同僚が 「それが普通」「みんなそうしている」 という雰囲気を作っているからです。
でも 「普通」ではありません。違法です。
そして、泣き寝入りする必要はありません。
マタハラは 証拠と正しい知識があれば、十分に会社と戦える問題 です。
「自分が我慢すればいい」と思わずに、 「それはおかしい」と気づくことが第一歩 になります。
実際にあったマタハラ裁判|不当な契約変更を許さなかった事例
ここで、 実際に裁判で争われたマタハラ事例 を紹介します。
このケースでは、 時短勤務を希望した女性社員が、会社の不当な対応により雇用形態を変えられてしまった という問題が発生しました。
時短勤務を希望したら、契約社員に変更…!?
この事案の被害者であるSさん(女性社員)は、第一子の出産後、育児と仕事を両立するため 時短勤務を希望 しました。
Vさんは元々 無期雇用の嘱託社員 でしたが、会社はこの申し出に対し、
✅ 「時短勤務をするなら、パート契約に切り替えるしかない」
✅ 「賞与も支給されなくなる」
と、一方的に 契約変更を迫ってきた のです。
Sさんは 会社の説明に納得がいかない ものの、
「育児で周囲に迷惑をかけるのも申し訳ない…」
「今の状況で転職するのは難しい…」
と考え、仕方なく パート契約の書類にサイン しました。
さらに続く不当な対応
ところが、会社の対応はさらにひどいものでした。
✅ 過去に貯まっていた有給休暇を「もう使えない」と勝手に消滅扱い
✅ 第二子の産休・育休を取得しようとしたら、上司が拒否
✅ 育休後、元の待遇で復帰したいと申し出たら「契約更新しない」と通告
こうしてSさんは 最終的に会社を去ることを余儀なくされた のです。
裁判の結果|会社の対応は違法と判断
Sさんは 「これは不当な扱いだ」と訴訟を提起 しました。
裁判所は、会社の対応が 育児・介護休業法に違反する「不利益取り扱い」に該当 すると判断し、
✅ Sさんの元の雇用契約を有効と認める
という判決を下しました。
つまり、元の無期雇用の嘱託社員として労働契約が継続していると判断されたということです。
裁判所が特に問題視したのは、
「時短勤務を理由に、契約を変更する合理的な理由がなかったこと」 です。
会社は「時短勤務を認めるにはパート契約しかない」と説明しましたが、
それに 納得できる根拠がなく、十分な説明もなされていなかった ため、
Sさんの「自由な意思に基づく同意とは言えない」 と判断されました。
この裁判から分かるのは、 たとえ会社の指示で契約変更を(自分の意思に反して)承諾してしまったとしても、不利益な変更が違法な場合は無効になる ということです。
もしあなたが、 「育児を理由に雇用条件を変えられた」「給料を減らされた」「退職を促された」 という経験があるなら、
「仕方ない」と諦めずに、 それが違法ではないかを確認することが大切 です。
【保存版】マタハラを徹底解説
「マタハラ(マタニティハラスメント)」 という言葉を聞いたことはありますか?
これは、 妊娠・出産・育児を理由に職場で不当な扱いを受けること を指します。
例えば、以下のようなケースがマタハラに該当する可能性があります。
✅ 妊娠・出産を理由に降格や減給される
✅ 育休や時短勤務を申請したら、退職を勧められる
✅ 「時短勤務の人に重要な仕事は任せられない」などと言われる
✅ 「みんなに迷惑をかけるのだから、これくらい我慢しろ」と圧力をかけられる
✅ 育休復帰後、「居場所がない」と感じるような扱いを受ける
実は マタハラは法律で明確に禁止されており、企業は従業員を不当な扱いから守る義務を負っています。
具体的には、以下の 育児・介護休業法 や 男女雇用機会均等法 によって、会社の不当な対応が違法と判断されることがあります。
育児・介護休業法(23条の2)|「不利益取扱いの禁止」
この法律では、 育児のための時短勤務や休業の申し出を理由に、不利益な扱いをすることを禁止 しています。
つまり、 時短勤務を理由に降格させる・給料を下げる・契約を変更させるなどの行為は違法 となります。
👉 今回の裁判でも、この「不利益取扱いの禁止」に違反すると判断されました。
男女雇用機会均等法(9条3項)|「解雇・不利益取扱いの禁止」
「育休明けに職場復帰を希望したら、契約更新を拒否された」というケースは、 「違法な解雇」として無効になる可能性がある のです。
あなたの会社は大丈夫?マタハラの見分け方と違法ライン
【マタハラの見極め①】妊娠・出産を理由にした不利益扱いの見極め方
会社が妊娠や出産を理由に、配置転換をしたり、待遇を悪くしたりするのは明らかにマタハラに当たります。
しかし、会社側は 「妊娠が理由ではない」「業務上の必要性があった」 などと主張し、マタハラではないと言い張ることがよくあります。
では、どこがポイントになるのでしょうか?
✅ 本当に妊娠や出産とは関係なく、その不利益な扱いがされたのか?
✅ 会社が説明する理由は、納得できるものか?
例えば、以下のようなケースは 「妊娠が理由ではない」と言われても、実際はマタハラに該当する可能性が高い です。
💡 ケース1:時短勤務を希望したら、突然パート契約に変更された
→ 「時短勤務はパートしか認められない」 と言われたが、他の時短勤務者は正社員のまま。
→ 実際は、妊娠・出産が原因で不利益を受けている可能性が高い。
💡 ケース2:育休復帰後に、全く違う業務に配置転換された
→ 会社は 「業務上の必要性があった」 と説明するが、同じ業務の他の社員は異動していない。
→ 本当に必要性があったのか、単に「妊娠・育休を取ったから不利益にした」のかが重要。
もし、会社の説明が納得できるものでなければ、それはマタハラの可能性が高いです。
納得いかない場合は、 「なぜこの判断をしたのか?」 を会社に問いただし、説明を求めることが大切です。
【マタハラの見極め②】本当に「自由な意思」で承諾したのか?
マタハラの問題では、会社側が 「本人が納得して契約を変更した」 という言い訳をすることがよくあります。
しかし、実際には 「嫌々ながらサインした」「会社の圧に押されて仕方なく承諾した」 というケースが少なくありません。
✅ 本当に自分の意思で承諾したのか?
✅ それとも、会社の強い圧力の中で仕方なく同意したのか?
💡 ポイント1:「労働者は不利益な条件を本来自ら選ばない」
通常、自分にとって不利な条件(たとえば、雇用形態の変更や待遇の悪化)を 自分から望むことは考えにくい です。
そのため、労働者が 本当に自由に選択したのか? という点は、裁判でも慎重に判断されます。
💡 ポイント2:会社側は「自由な意思だった」と証明する必要がある
もし会社が 「本人の同意のもとで行われた契約変更だ」 と主張するなら、
それを裏付ける 納得できる説明 をする義務があります。
たとえば…
🚫 「時短勤務を希望したら、パート契約への変更を求められた」
🚫 「嫌々ながらサインしたが、それをもって『自由な意思』と言われた」
こうしたケースでは、 本当に本人が納得していたのか? が重要な争点となります。
💡 ポイント3:労働者側は「会社の圧に押された」ことを主張できる
もし 「嫌だけど仕方なくサインした」 という状況なら、それは 自由な意思ではない 可能性が高いです。
そのため、後からでも 「強い圧力があった」 ことを証明できるよう、以下の対策をしておきましょう。
✅ 会社とのやり取りを記録する(メモ・メール・録音)
✅ 契約変更を迫られた際の会話の内容を残しておく
✅ 「納得できなかった」「サインするしかなかった」と相談記録を作成する
「自由な意思ではなかった」と証明できれば、不利益な契約変更は無効となる可能性があります。
【マタハラの見極め③】会社の対応に「正当な理由」はあるのか?
会社には 「人事権」 があり、業務上の必要性に応じて配置変更や雇用形態の変更を行う権利があります。
しかし、 「業務上の必要性がない」 にもかかわらず、育児や妊娠を理由に不利益な扱いをすることは許されません。
✅ 会社が正当な理由を示せなければ、人事権の濫用とされる可能性がある
💡 ポイント1:人事権の行使には「業務上の必要性」が求められる
例えば…
🚫 「時短勤務を希望したら、パート契約に変更された」
🚫 「産休・育休後に元のポジションに戻れなかった」
こうした対応を会社がする場合、 「なぜそうする必要があるのか?」 を明確に説明する責任は 会社側 にあります。
💡 ポイント2:業務上の必要がないなら、その人事権の行使は無効
会社が 「時短勤務のままでは業務が回らない」 などの理由を示す場合、それが妥当であるかどうかが問題になります。
もし…
❌ 他にも同じ業務を時短勤務で行っている人がいる
❌ 代替策を講じることができる
❌ 人手不足を理由にしているが、実際は十分に人員がいる
こうした状況であれば、 会社の言い分には合理性がない可能性が高い です。
💡 ポイント3:「育児を理由に扱いを変えた」と認められれば、マタハラの可能性
会社が「業務の都合」と言い張っても、 育児を理由に不利益な扱いが行われたことが明らかになれば、違法になる可能性があります。
📌 あなたがすべきことは?
✅ 会社が示す「業務上の理由」に納得できるかを冷静に判断する
✅ 同じ業務をしている他の人と比べて、扱いが不当に違うかをチェックする
✅ 会社が言う「必要性」が本当に正しいのか、根拠を求める
会社の言い分をうのみにせず、 「育児を理由にした不利益な扱いではないか?」 をしっかり確認しましょう。
会社にどう主張する?マタハラ被害への具体的な対処法
マタハラを受けたと感じたとき、 「これはおかしい!」 と思っても、どう会社に伝えればいいのか分からない…という方も多いのではないでしょうか?
ここでは、 冷静かつ効果的に会社に主張する方法 を解説します。
1️⃣ まずは「不利益な扱いの理由」を確認する
💡 ポイント:会社はどんな理由で不利益な扱いをしているのか?
👉 「育児や妊娠のために勤務時間を短縮したい」
👉 「産休・育休を取ることで職場に迷惑をかけたくない」
こうした正当な権利を主張した結果、 配置転換や雇用形態の変更、降格 などの不利益があった場合、 マタハラの可能性 があります。
📌 会社に確認すべきこと
✅ 「なぜ、このような扱いになったのか?」
✅ 「ほかの従業員にも同じ対応をしているのか?」
✅ 「業務上の必要性があるのか?」
会社の説明に納得できない場合、 「育児を理由にした不利益な扱いではないか?」 と指摘しましょう。
2️⃣ 記録を残しながら「書面」で主張する
💡 ポイント:口頭のやり取りではなく、証拠を残すことが重要!
会社に対して主張するときは、 口頭ではなく必ずメールや書面で伝える ようにしましょう。
📌 記録しておくべきもの
✅ 上司とのやり取り(メール・メモ・録音)
✅ 勤務条件の変更があった場合の書類や通知
✅ 周囲の従業員との会話や証言
「不当な扱いではないですか?」 という質問を記録として残しておけば、後々の証拠としても有効です。
3️⃣ 会社が対応しない場合は外部機関に相談
💡 ポイント:社内で解決できない場合は、第三者に頼る!
会社に主張しても状況が変わらない場合は、 労働局や弁護士、社労士 などの専門機関に相談しましょう。
📌 相談先の例
✅ 労働局雇用均等室(マタハラ相談窓口)
✅ 社労士・弁護士(労働問題に詳しい専門家)
✅ 会社の人事・労務部門(社内の相談窓口がある場合)
🚨 大切なのは「泣き寝入りしないこと」
「もう仕方ない」と諦める前に、 あなたの正当な権利を守るために、できることをやってみましょう!
マタハラに遭ったときに、すぐに取るべき行動
マタハラを受けたとき、 「自分が我慢すればいいのでは…?」 と思ってしまうかもしれません。
でも、それは違います。あなたには 育児と仕事を両立する権利 があります。
「おかしい」と思ったら、 すぐに行動 することが大切です。
マタハラは 決して許されることではありません。
「会社に逆らうと働きづらくなる…」と不安に思うかもしれませんが、
不当な扱いを受け続けることの方が、あなたの人生に大きな影響を与えます。
💖 あなたは一人じゃありません。
📢 おかしいことは、おかしいと声を上げていいんです。
「大変だから…」と泣き寝入りする前に、 まずはできることから始めましょう!